噛んで吹く
藤原北家の祖は藤原不比等、その父は中臣鎌足。もっと辿ると、天児屋命=アメノコヤネノミコト。
アメノというのは姓なのか役職なのかわからない。ただアメノホヒという神が気になった。
アメノホヒの子が天夷鳥命=アメノヒナトリノミコト。ヒナ=夷=日奈というので、境目を飛ぶ鳥ということらしい。これは確実に役職だ。国境を広げるべく、その周辺国を調査する諜報。その元締めという意味ではないか。
倭の国の住人は戸籍と役割を与えられ、それをミコトとして全うすることで神の末裔であることを許された。
児屋はアメノフトダマノミコト=忌部氏と共に天照に鏡を差し向けた一人。その後忌部氏が中臣氏に排斥されたことから、鏡を奉納したのは忌部氏で、中臣氏はその功績を奪ったと思われ、故に鏡氏は忌部氏の末裔であろうと思われる。
鎌足が藤原を名乗り、その息子不比等は大宝律令を制定した後に古事記、日本書紀を編纂した。
出雲に支配された後に復権した功績を強調し、天皇を中心とする身分制度を定めたのは不比等であると言える。
藤原氏の強権たる所以はそこに尽きるだろう。岩戸から引きずり出したということは、その血筋を証明するものは無いし、確かなことは天照男系の末裔「とされる」誰かを立てて奉じたということだろう。これは以後ずっとこういう仕組みだということがわかる。
つまり天皇が誰であるかより、誰が奉じるかによって政権の本質が変わるということ。結婚による血脈の連合が倭国の本質であり、その中でどの血脈が偉いかを決める。
天皇を立てて奉ずればそこが倭の中心であるということ。
戦国時代の本質がわかってきた。今も変わらず、誰が誰を立てて奉じるかで政局が動いているのだろう。