はんだえもん’s blog

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傀儡女

 てっきり白蓮が女性における自由主義思想の始まりだと思ったけど、傀儡女(くぐつめ)という存在が室町時代からあった。

 人形浄瑠璃の始祖的なものであることは疑い無いが、それほど文化的価値を持った芸術であったとは到底思えない。

 今で言うと路上ライブみたいなものか。

 お金を落として貰うために、入水のような情に訴えるテーマを用いたと考えられる。

 お金を「与える喜び」みたいな概念はなるほど仏教国ならではの自己満足なんだけど、家長制度がより強固だったこの時代では、嫁入りを拒絶して家を出ることはそのまま物乞いになることを意味した。

 犬王でやっと取り上げられたけど、近江申楽なども原型は物乞いのパフォーマンスではなかったか。

 木下藤吉郎も申楽師だったのではなかろうか。

 そんな中、傀儡女の存在は家を出た娘が行着く駆け込み寺であり、その勢力たるや現在の女性至上主義勢力をしのぐのではなかったろうか。

 家長制度が絶対という解釈の呪縛は、恐らく昔も今も幻想に過ぎない。

 中央集権の裏側で、死ぬものは死に生きるものは生きた。それはどうしても看過できないことではないか。